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  1. 箇条書き項目  アレルギーと抗生物質

 最近、アレルギーと腸内細菌の関係、と言った事を耳にする事があります。それに関連して、抗生物質の使用とアレルギーの関係、と言った事も患者さんから聞かれる事があります。

 腸内細菌とアレルギー、抗生物質とアレルギー、どんな関係があるのでしょうか?

 腸内細菌と言うのは、人体にとってとても大事な存在です。消化管である腸の中の環境を維持し、改善するのに、不可欠と言えます。いわゆる善玉菌と悪玉菌が存在し、その善玉菌を順調に増やし、悪玉菌が過剰になるのをコントロールする事が、腸内環境の維持・改善に繋がる訳です。そして、腸内細菌のバランスが崩れた時、その人は食物抗原に対してアレルギー反応を来しやすくなる、と言う話がある訳です。

 体内に取り込まれた食物は消化され、小さな分子に分解されます。それらは直ちに腸の粘膜から体内に取り込まれるのではなく、腸内細菌によって更なる分解を受けるとされます。この分解が不十分な時、体内には『抗原として機能しうるサイズのままの分子』が取り込まれる可能性が高くなります。

 少し難しい話になりますが、実は、人間がアレルギー反応を起こすのに良く言われる『抗原』と言うものには、サイズの限界があります。ある一定以上小さな分子は『抗原』になる事は無く、また、一定以上大きな分子は『抗原』として認識されやすい、と言う傾向があります。つまり、腸内細菌によって分解を受けない食物の分子は『抗原になりやすいサイズ』の分子として、体内に取り込まれ、それらが、食物アレルギーを引き起こす、と言う学説があるのです。既にある程度のデータは集まっており、私自身はこれはかなりの部分正しいのではないかと考えています。

 そして、このように考えた時、抗生物質とアレルギーに関係が出て来ます。ご存知のように、抗生物質とは『細菌をやっつける薬』です。この『細菌』には、当然腸内細菌も含まれ、抗生物質の作用は、相手が善玉菌であろうと悪玉菌であろうと、関係なく『有効』に作用します。つまり、抗生物質の乱用は腸内細菌のバランスを崩し、腸内環境を一時的にせよ悪化させてしまい、それによって結果としてアレルギーを悪化させてしまう危険をはらんでいるのです。勿論、だからといって抗生物質の利用それ自体が悪い訳ではありません。医療行為と言うのは全てメリットとデメリットのバランスの中で成立しているものであって、例え一時的に腸内細菌が激減しようとも、今ある感染症の治療の方がその人の体にとって火急の用件である時は、迷わず抗生物質を使用する必要がある事も、間違いの無い事実です。

 とは言え、実際、幼児期までに抗生物質の使用経験頻度の高い人はアレルギーになりやすい、と言う疫学データも出ています。抗生物質は人類を感染症の恐怖から解放した、と言う点で疑い無く現代医学の勝利の産物ですが、耐性菌の問題、アレルギーとの関係など、最近では当初分からなかった様々な問題を含むものである事が分かってきているのも、また事実です。『必要な時に、必要な種類を、必要な量に限って使用する』という事がこれからますます重要な課題になって行くでしょう。抗生物資とは、決してアレルギーと無関係な薬ではないのです。

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